2010年1月11日月曜日

最初のCGアニメーション

設計プロセスの初期の段階で、その発想支援をする道具としてコンピュータが最初に用いられたのは1960年代初期であり、いわゆるCAD(Computer Aided Design)は、ここが出発点であるといえる。
それを可能にしたコンピュータ利用技術が、 CG (Computer Graphics)であり、世界的には『2001年宇宙の旅』にも参加したアメリカのジョン・ウィットニー(John Witney)が先駆者として評価され、1961年に制作した『カタログ(Catalog)』がその代表作とされている。
http://www.youtube.com/watch?v=TbV7loKp69s



我が国では1967年11月に第1回草月実験映画祭において、東大大学院都市工学科に在籍していた山田学と月尾嘉男によって発表された『風雅の技法』が日本初のCGアニメである。これは、大型コンピュータ制御のプロッタで描画した幾何学的な図形を一枚ずつフィルムに収めてアニメーションとしている。
作品の題名となった「風雅の技法」は、もちろんバッハの晩年の大作「フーガの技法」にヒントを得て作られたものであり、音楽分野では作曲技法として重要な対位法を映像の世界に持ち込もうという意図が伺える。フーガは対位法(kontrapunkt)のひとつであるが、複数のメロディーや映像を同時進行で展開するように構成する技法で、音楽や映像の芸術用語である。
http://www.youtube.com/watch?v=qC8ad4gVXEQ



その後、山田学は日本の建築界におけるCAD利用の推進者となり、我が国における万国博覧会の観客流動シミュレーションを実現している。1975年の沖縄国際博覧会以降のコンピュータによる観客流動モデルは、私との共同開発である。
一方、月尾嘉男は人工知能、仮想現実など情報科学の先端分野に挑戦するが、むしろ情報社会の基盤整備に力を注ぎ、大学からは最初の総務省総務審議官に就任し今日に至っている。