2017年8月10日木曜日

写真で伝える

6年前に家内が動けなくなった時に「私の代わりにいっぱい写真を撮ってきて見せて」と言われたのをきっかけに、それまで建築の模型写真以外にはほとんどカメラでスナップ写真など撮ったことがなかったのですが、毎日一枚でもいいから身の回りのものや風景、出来事などに目を向けるようになりました。

家内がなくなるまで続けていたミクシィ(mixi)に代わって、私がフェイスブックに一日一枚を目標に写真と記事を投稿して家内への報告をしてきましたが、毎日相当な枚数の写真を撮るものの、そこに記録された映像と私がこれを撮りたいあるいは伝えたいと思ったものとが、かなり違うなぁとずっと思っていました。「パパって写真が下手ね」と家内が言っているのも聞こえます。

デジタル写真を「現像する」ことを知ったのはまだ2年ほど前です。時間のある時には少しコントラストを濃くしたり、暗い写真を明るくするぐらいのことはしていたのですが、フォトショップの機能やフィルタを使っているうちに、記録された映像が劇的に変化することもあることを実感しました。フォトショップによる画像編集の実例をいろいろ見ているうちに、撮影した現場で私が撮りたいと思っていたイメージに近いものを写真加工で引き出せることが分かったのです。それが現像ということでした。

アナログ写真の時代から、プロのカメラマンが自分で写真を現像する際に施していた操作が、今ではデジタルに処理できるようになっているばかりか、アナログでは得られないような効果を付加することも可能になっています。

ということを記録しておきたかったので、先日の白保の豊年祭で「みるくさま」の行列が登場する時に私がイメージした印象に近くなるように写真を現像してみました。私がこの場面で伝えたかったことは、夕方の西日を背中に受けて甲斐甲斐しくみるくさまに寄り添う二人の女の子の素朴な姿だったのです。撮った写真を家でモニタで見た時に、これは行列風景の説明写真であって、この女の子たちの息づかいのようなあの瞬間の私が受けた印象が全く伝わっていないことに愕然としたのです。


白保豊年祭2017(現像前)
そこで、トリミングしてサイズを調整、行列の先頭を明るく、そして逆光効果を強調して見たのが次の写真です。この現像を施すことで、私が現場で受けた印象に少しでも近づけたような気がします。まだほとんどの撮影をカメラのオート機能で撮っているうちは素人だと思いますが、それでも時間をかけて現像することで記録ではなくて「思い」を伝える写真に仕上げることはできるのではないかと思いました。

白保豊年祭2017(現像後)

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