2017年2月16日木曜日

大学入学試験


今日は早稲田大学の理工系学部の入学試験日です。10年ほど前から、従来の理工学部は、基幹理工学部、創造理工学部、先進理工学部の3つに再編されましたが、入学試験は共通の出題で今日行われます。早稲田大学の全学部の入学志願者は114,983人ですが、募集人員は5550人なので約20倍の競争率です。

建築学科は創造理工学部に属していますが、募集人員80名に対して今年は1014名の志願者があり12.7倍の競争率となりました。建築学科だけは今日の一般入試試験の他に明日「空間表現」という実技試験があって、この点数が加算されて合否が判定されます。建築学科の定員は160人ですが、半分の80人はすでに各種推薦入学で合格者が決定しています。この中にはAO入試も含まれています。

何十年もこの入学試験会場で終日監督をしながら思うことですが、答えが一つしかない受験勉強をしなくては大学には入れないという制度そのものの見直しがどうして進まないのだろうということです。社会に出れば、問題の解は無数にあって、あるいはそれまでにない答えを自分で作り出していかなくてはならないのに、単に入学者をふるいにかけるためだけの受験勉強を強いられることへの疑問がいつもあります。幸い建築学科だけが実施している創成入試つまりAO入試の制度を積極的に活用すべきだと思うのです。

AO入試の長所短所はありますが、少なくとも建築学科での成績や卒業後の活躍を見ていると、明らかな成果が生まれています。志願者全員を一人一人を面接するのは大変ですが、ほとんど何もしないで一日中試験会場で歩き回って試験監督をしているよりは、ずっと前向きな対応だと思います。

大学の意識改革を提言しても何も変えることができなかったので、逆に子供達が小さいうちに「答えは一つではない」をワークショップを通して実践しようというのが、石垣島の子供大学です。一つ一つできるところから手をつけていこうと思います。

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