2017年2月13日月曜日

音の不思議

昨日のランチは、子供づれでもOKというカフェに行きました。そこで久しぶりに空間と音について改めて考えさせられました。

ドップラー効果

大通りを通り抜ける救急車のサイレンの音が近づくにつれて高くなり、そして通り過ぎた後に低くなるのを久しぶりに体感しました。新宿の我が家は大通りから奥まっていて大通りの喧騒は全く聞こえないし、石垣島では車がサイレンを鳴らして走るのに遭遇することはまずないからです。音源が動くということが空間デザインではどのよう生活に取り込まれるのだろう?

カクテルパーティー効果

卒業生と二人でランチしていると、周りはかなりの人々の会話の声があり、このカフェではそれに加えて子供達の歓声や赤ちゃんの泣き声があるにもかかわらず、終始あまり気にならなかった。それでも卒業生の会話が聞き辛くて何度も聞き返したりしていたのだけれど、接近して隣り合ったテーブルのお客さんが話していたことにはほとんど気がつかなかった。自分に関連する情報に対しては鋭く注意が向けられるこの効果があることを、これも空間デザインでどう向き合ったら良いのだろう?

マスキング効果

少し前に知ったばかりのこの効果を昨日も体感した。店の前の道路を車が通った時にそれまでしていた会話が全く聞こえなくなる現象がこれなんだとわかった。2つの音がなっている時に片方の音でもう一つの音がかき消されるこの効果は、空間の音デザインではもっと導入されても良いと思う。ししおどしの音が却って静寂を生むということもありそうだ。

他にも、
ハース効果
近接効果
共振効果
などいろいろあるようですが、いずれにしてもこれまでの建築空間では、音に関しては「騒音」対策がメインで、コンサートホールなど音響設計では技術的な研究の蓄積はありますが、日常音をどのように生活の中で取り入れるあるいは制御したら良いかについては、ほとんど考えられていないのが現状です。しかし、これからのスマートライフの目標の一つである「聴覚」に対してITを含めたデザイン思考が大切になってくるのではないでしょうか?

2 件のコメント:

  1. BOSEのヘッドホンも古くから知られていたsin・cosでノイズを打消すという効果の再利用で商品化されました。

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    1. 逆の波形の音を意図的に作って出すという、あれですね。クーラーなどの暗騒音も消すことができそうですね。

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